2020/9/1

 国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構、九州大学と排水処理高度化(フッ素の低濃度処理)の共同研究がスタートしました。
 弊社(WEF技術開発)は、独自に開発した水処理技術(特許取得済)で現在まで国内外で展開してきました。その技術は、カーボンと金属(例えばアルミ、鉄、マグネシウム等)を固着させ、それを水中に投入するとカーボンから金属に電気が流れ、金属イオンが溶出する。溶出した金属イオンはすぐさま水酸化物に変化し、水中に浮遊しているマイナスに帯電している重金属類を吸着して、沈殿処理します。

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 この処理技術の優れている点は、他の技術に比してイニシャル・ランニングコストが非常に低く、にもかかわらず、フッ素やヒ素などの比較的処理がしにくい物質を、他技術が出来ない低濃度まで処理できることです。
 国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センターは吉井川の源流に位置するため、排水基準が非常に厳しく、特にフッ素は一般の排水基準が8㎎/Lであるのに対して、0.5㎎/Lという低濃度になっています。
 処理剤「テラスト」は1個をメスシリンダー等に入れて、空気撹拌すれば簡単に処理効果が確認できます。
 昨年度、人形峠環境技術センターでまずビーカー試験を行っていただいた。結果が下記です。

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 試験結果を踏まえて、今年度、『萌芽研究』と言う機構内の制度を利用して、日本原子力研究開発機構、九州大学と弊社で、排水処理の高度化研究がスタートしました。
 テラスト処理はフッ素だけでなく、クロム等の重金属類はほぼすべて処理できるため、低コスト、低濃度処理技術の確立が期待されます。